潜象整体とは
会津に伝承される古式整体をもとにして、潜象界の視点から気と経絡を整える整体技法として体系化したもの。
もともとの技法に「見の技法」というものがあり、その技法は明らかに潜象界の気の情報を感知する技術であったと思われます。
それは患者を立たせた状態、もしくは寝かせた状態で全身の姿見検査を行います。
そして、どこで、に異常があるのかを術者の感知能力をもって探る技法なのです。
この会津伝承の古式整体は正式名称も伝承の系譜も明らかではありません。
だが、私の師匠である熊坂護の師は明治期の小林一先生、その師匠はもう江戸期の人であり、会津藩のご典医でした。
潜象整体の特徴
潜象整体の特徴はその技法の数が極端に少ないことです。
もみほぐしの他は押す、引く、捻じる、はたく、の4動作しかないのです。
それを潜象界からの情報にしたがって、微調整しながら関節の調整、筋肉の調整、経絡の調整をしていきます。
4動作の組み合わせは、その患者に合わせて千差万別に変化するのでs。
だから、技は無限にあるともいえます。
潜象整体は禅の整体である
熊坂護という柔道整復師が宇都宮におられました。
会津古伝の整復術を正式に継承する先生です。
一部、伝説ともなっておられる先生です。
その技の効きは誰にも真似できないとも言われています。
さて、その技ですが、おそらく想像より、はるかにシンプルです。
たぶん型だけなら3日で覚えられます。
でも、同じように施術しても技の効きがまったく違う。
教え方もシンプルです。
一言「技が通ってない」、それだけです(笑)
まさしく教外別伝、不立文字の世界!
で、その練習に利用したのが「気滞」なんです。
気滞は自然治癒を阻害している「なにか」です。
経絡、経穴はその阻害を解消するための「ポイント」です。
それは整復、矯正のポイントと同じなんですね。
経穴というと「点」、と解釈されがちですが、「面」で存在していることもあります。
で、技が通ったかどうかは、気滞が解消されたかどうか、で判断できるんです。
気滞が消える方向に微妙に矯正する角度を変える、鍼先の方向や角度を調節する、または押えるポイントが何ミリずれてるとか、角度が何度ずれてる、とか判断の目安にするんです。
私の場合は気と経絡がわからなかったら、熊坂先生の技術も途中であきらめていたと思います。
たとえば肩の脱臼、ある整骨院でお弟子さんが整復しようとしてもなかなかできない、肩関節周辺の筋肉が緊張しすぎていて力で入れようとしても整復できなかった。
そこで先生がでてきて、肩関節を手でやさしく撫でる、するとコトッという音とともに脱臼が整復できてしまった。
上腕骨頭が元の位置に戻ろうとするのが自然治癒力、それを阻害しているのが周辺筋肉の過緊張です。
それを解消するために周辺をやさしく撫でる、というのも一つの方法で、この場合はツボは面として存在しています。
でもその方法しかないのかと言われれば、首の調整をしてもよかったかもしれませんし、手足末端のツボを刺激しても良かったかもしれません。
その場合はツボは点で存在しますよね。
それは先生方の修得技術、得意な技法で良いのだと思います。
気滞がわかると、技ってじつは何でも良いのだなってことがわかります。
指圧でも整体でも、鍼灸でも、なんでもいいんです。
気滞(自然治癒を阻害しているもの)が解消できればいいんです。
さて、もう一つ大事な事があります。
治療がうまくいったかどうかは気滞が解消されたかどうかで判断できる、これは確かです。
でも自然治癒力が阻害されていなければ、症状があっても気滞が無い場合があるんです。
例えば筋肉痛(笑)
どんなに痛くても、気滞が無い場合が結構多いです。
その場合は自然治癒力は正常に機能しているので、極端な話、放っておいても(治療しなくても)大丈夫です。
だからと言ってなにもしなくて良いというわけではないですよ。
血行促進のためのマッサージなどすれば効果的かと思いますし、痛いところに、それこそ鍼をしてもよいかと思います。
気滞の応用方法はいろいろありますね。
最後に「気」や「気滞」といっても、それが科学的に証明されていない以上、共通定義は無いんです。
いまだに、無い。
ですから、一口に「気」と言っても、その意味するところは人によってバラバラです。
ですから、当会で言う「気滞」は一般的な解釈の気滞とは違います。