「人は生命体ですよね?」
と、聞かれれば、みんなyesと答えるのではないでしょうか。
でも、そのことの本当の意味を理解している人は少ないように思います。
私は思うのですが、「脳」と「身体」は別物なんじゃないでしょうか。
普段私たちは、
脳で情報を処理し、それを自分が感じたと思い、
脳で考え、それを自分の「気持ち」だ、それが自分の「心」だと思い、
脳からの命令や欲求を、自らの欲望だと思っています。
それが、私は違うんじゃないかと感じています。
昔の人は「腹が決まったら実行しろ」とか、「胸に手を当てて考えろ」とか言いました。
脳じゃないんですよね。
脳が感じること、脳が要求することと、自分の体が要求することって、違うんじゃないでしょうか。
もっと身近な例で言えば、食欲。
脳が命令するままに食欲を満たすと、ほぼすべての人が食べすぎになるそうです。
栄養学的にも次のようなことが言われています。
ビタミン各種、たんぱく質各種、脂質、糖分など、さまざまな栄養素が体に必要な分だけ満たされていると普段の食事量に達していなくても、脳はそれ以上の食事量を必要としない。
つまり、食欲が抑えられるので、食べ過ぎないで済むのだそうですね。
これを応用しているダイエットワークも存在します。
まんべんなく栄養を取る、つまりちゃんと食べることで、全体の食事量をある一定量に抑えることができる。
結果的に、食事量を適正に保つことができて、減量につながる。
なぜそうなるのかといいますと、例えばあるビタミンが足りていないと仮定します。
なら、そのビタミンが含まれる食事を摂ればいいのですが、脳はどの栄養素が足りていないのかは判断できない。
だから、脳自体が欲する栄養素を取れという命令をだす。
脳自体の栄養素とは何かというと、「糖質」です。
だから、栄養素が満たされていないと、満腹中枢がいっぱいになるまで糖質を取り続けることになり、結果、太るのだという理論です。
この理屈にもマクロビ的にみれば説明のつかないところがありますが、これも脳と身体の欲求は違うという例です。
人の脳は際限のない欲望を持つようにつくられています。
それは食欲だけではなく、物欲やその他の欲望も同じように。
でも、私は脳からの欲求と身体が本当に望む欲求は違うと考えています。
つまり、脳というのは生命体としての欲求をだすのではなく、脳というシステムからだされる欲求であり、それは細胞一つ一つからでる、生命体としての欲求とは別物だと思うのです。
生命体としての本当の欲求は自分の内臓や、筋肉の細胞がだす欲求だと思います。
脳ではなく、身体からの声を聴くこと、それが潜象界につながる道の一つではないでしょうか。
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