潜象界とは現象界を包括していると仮定されます。
そこは物質の世界ではなく、一般的には「気」の世界とも言われています。
気は物質に先んじて動くもので、だから現象界を包括しているとも考えられるのです。
さて、その世界は五感では感知できない世界で、では人はその世界を感知することはできないのかというと、そうではありません。
なぜなら、まったく別世界の話ではなく、潜象界は常に我々と共に存在している世界であり、我々と深く関わっている世界でもあるからです。
ですから、感知できないはずがないのです。
では、どうしたら感知できるようになるのか?
逆に言うと、何故、潜象界の感知力が発揮されないのか?
おそらくは、現象界感覚が強すぎるからではないでしょうか。
ですから潜象界を感知するためには、現象界での感覚を減らしていくしかありません。
潜象界を感知する能力は原初感覚とも言われていますが、その感覚はもともと、どんな人にも備わっている能力です。
対して現象界を感知する能力というと、それは物質を感じ取るための五感、そして欲望です。
欲望にもいろいろありますし、食欲や睡眠欲など、生存に最低限必要な欲望もありますから、全部を完全に無くすことはできません。
でも、それを少しでも減らしていく、そして原初感覚を増やしていく、それしか潜象界に近づく方法は無いと思われます。
そして、五感以外で感じ取る練習をする、
けれども潜象界を想像するのではなくイメージしするのでもなく、
そのために思考を排除し、ただ感じることに徹する。
禅や気功、ヨガの修練も同じ目的ではないでしょうか?
現象界から完全に脱することはできません。
現実にその世界に生きているのですから。
欲を完全になくすことができないのと同じです。
でも、その現象界と潜象界の中間、それを中庸と呼ぶのだと思うのですが、そこを目指すことで潜象界の気を感知するようになることはできると思います。
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